デンドロビウム 原種に近い交配種 2

原種に近い交配種は、原種の雰囲気が残っているところがミソです。交配親である原種の特長を素直に表したその姿、見る人が見たらどのような原種が親となっているかがすぐさまわかるでしょう。やっぱり原種に近い姿なのですが、少し違うところが良いです。雑種強勢だとは一概に言えないですが、花付きや性質は丈夫なものが多いです。
Den. crystallinum × bensoniaeDen. crystallinum × bensoniae(クリスタナム × ベンソニアエ)
一見見ると、原種ワーディアナムに似た花姿です。これでバルブがボコボコと節くれだっていたら自分は間違えてしまうでしょう。しかしよく見ると、花びらの先のピンク色が淡めです。ワーディアナムは目鼻立ちがくっきりしてる美人さんです。一方、こちらの交配種はふんわりしたやわらかい雰囲気があるお姉さんといった感じです。花全体の雰囲気はクリスタリナム、目のような赤褐色の模様はベンソニアエから受け継いでいるのでしょう。リップに濃いブロッチが入るデンドロが好きなので、自分にはたまらなく素敵です。
Den. cretaceum × parishiiDen. cretaceum × parishii(クレタセウム × パリシー)
バルブが直立しにくい感じと、全体的な花色、バルブに行儀良く並んで咲く様がパリシーっぽいです。じゃあ、ほとんどパリシーじゃないかと言うことになりますが、リップの色とそこに入る網目状の模様が、しっかりとクレタセウムしています。
Den. parishii↑ちなみに、こちらがパリシーです。
パリシーは花びらの先がとがったシャープな感じがするので、全体的に丸みを感じるところは、クレタセウムの性質が出ているのかもしれません。リップに細かい切れ込みが入るのは、両親の影響だと思います。うーん、案外ありそうでよく考えたらない組み合わせかもしれません。丸っこいかんじのパリシーみたいなデンドロ。

いずれも開花株を最近に購入したものなので、性質などは把握してませんが、交配親の原種から考えると比較的丈夫でとっつきやすいのではないかと信じつつ、育てていきたいと思います。

楽しいデンドロビウム

ノビル系の交配種は古くから色々あります。バルブさえちゃんと育てれば、花が咲くことは多いですが売っているもののように、バルブの上から下までびっしりと咲かせる、と言ったことは自分にはむずかしいです。冬の初めに小さな花芽が確認できると、それはもうテンションが上がります。栽培が報われたといった感じに。花芽は秋にバルブがぱんぱんにふくらんだときと同じくらいうれしいものです。冬にじわじわと花芽がふくらんで、春になると一気に開花してくれます。
Den. Sweet Candyスィート・キャンディー 花付きが抜群によい品種です。バックバルブから複数の新芽が出た場合、作落ちして花が少なくなるケースがあるのですが、この品種はほぼそれがないです。
Dendrobium Himezakura\'Fujicco\'ヒメザクラ ’フジッコ’ ほんのり桜色の花びらがかわいらしい品種です。今ひとつ伸び切らなかったバルブにまで花芽を付けるので、ちゃんと仕立てたら満開時すごい豪華になると思います。しかし、鉢花で出回っているものはもっとピンクが濃いのも見るので温度とか日照で色幅はあるのかもしれません。
Den. Second Love \'Tokimeki\'セカンドラブ ’トキメキ’ バルブが完成して花芽が上がってきている株を手にしたので、どの程度強いのかはよくわかりません。ただ、前年バルブと比較してかなり細くいリードバルブにしっかり花が咲いたので、花付きはよいようです。昔からよく聞く品種で、花のかわいらしさからそれも納得できます。
Dendrobium  Sigiriya Ladyシギリヤ・レディー こちらも、昨秋にバルブの完成した株を手に入れたものです。リップに入る目がノビルを彷彿とさせます。かなりひょろっとした姿なのですが、本来の姿とは違う気がします。しっかり育てると、どのくらいの大きさになるのかが楽しみです。
Dendrobium unknown不明品種 栽培している中では古株で、花終わりの処分品を手に入れたものだったと思います。スプリングドリーム’アポロン’のラベルが付いていたのですが、当該品種は純白花のハズなので違う気がします。
Dendrobium Oriental Spirit ’Bizen Akebono\' オリエンタルスリピット’ビゼン・アケボノ’ バルブが細めの品種で、生育が旺盛な強健種です。花付きもよいです。単に「ビゼンアケボノ」の名前で出回っていることもあります。

デンドロビウム 原種に近い交配種

デンドロビウムはやや渋めでマニアックな原種から、山野草のような趣があるセッコク、鉢花として気軽に楽しめる育てやすい交配種まで、育てる楽しみはよりどりみどりです。Den. moniliforme

Den. moniliforme(セッコク)の一種

交配種は色々なものがありますが往往にして花色もカラフルで、なんと言ってもとっつきやすいのが特長です。価格も比較的リーズナブルで、ホームセンターなどでも冬から春にかけて、わっと花の付いたものが多く出回ります。交配種はたくさんの原種が関わっていますが、現在見られる交配種の大元となった原種で一番有名なのは、Den.ノビルでしょう。特に小型で寒さに強くて丈夫な交配種にはDen. モニリフォルメ(いわゆるセッコク)が親となっているものが多いですし、黄色系ならDen.フレデリックシアナムなどが重要なのではないかと思います。

Dendrobium friedricksianum

Den. friedricksianum(フレデリックシアナム)


ややマニアックでありますが、その交配種を見てどんな種が親となっているのかを想像するのも非常に楽しかったりします。興味があればRHSのサイトで、登録されている交配種の系譜を調べることができます。そんな楽しいデンドロビウムの交配種、その中でも原種に近いプライマリー交配種を紹介します。

プライマリー交配とは

交配種は色々な種を何世代も交配して作出されているものが多いですが、原種同士の交配種もあります。というか、交配は原種同士の交配からはじまるので当然です。そして、原種同士の交配を「プライマリー交配」と言います。
現在見られる最新の交配種のようにボリュームや豪華さはないですが、原種の特長を残しつつ、少し違ったような素朴な美しさをもっています。変なところに言及すると、100年くらい前に作出された交配種なんかもあり、何となくロマンがあったりなかったりです。もちろん株自体はその当時のものではありませんが、些細なことです。

Den. Cassiope デンドロビウム・カシオープ(カシオペ)

Dendrobium Cassiopeカシオープはノビルとセッコクの交配種で1890年に登録されています。ノビルにもセッコクにも変種や個体が多いので、その組み合わせで花姿や性質の異なるカシオープがあります。この個体の花姿はかなりセッコクよりですが、かなりノビルに近い個体もあります。Den. Cassiope 2上の画像は京都植物園で見たモノですが、確かカシオープのラベルが付いていたと思います。ノビルだったかもしれません…、間違っていたらスイマセン。
性質はセッコクと同じくらい丈夫です。花は前年バルブにつくことが多いですが、本年バルブにも付きます。交配種の中では一番開花が早い部類で、12月頃から咲き始めます。新芽も早いときは2月頃から伸び始めます。株姿は両者の中間的な雰囲気で、バルブはノビルほども太くならずセッコクほども細くないです。’ミス・ビワコ’という美しい個体があるそうですが、自分は見たことがありません。

Den. Aoyama デンドロビウム・アオヤマ

Den. Aoyamaアオヤマはアダンカムとセッコクの交配種で1924年に登録されています。花のないときの姿は上記のカシオープに似ているか、ほとんど同じです。花色はピンクでリップの喉が少し黄色く色づきます。花色はアダンカムから、花姿はセッコクからとったような雰囲気です。やや花びらがふっくらしたかわいらしいセッコクにも見えます。カシオープ同様に育てやすいです。花付きはよい方だと思います。ネットで画像を検索すると、かなり異なる花姿のものが見られるので、個体の組み合わせが異なるものもあるのかもしれません。

セッコク×ピエラルディー交配種

Dendrobium moniriforme \'Syuyo\' × pierardiiセッコクの紅色品種と原種ピエラルディーの交配種です。ややうつむき気味に花を咲かせるのですが、下から見上げるとすごくキレイです。バルブは直立せず、斜上する傾向があるようです。花の咲いた状態で手に入れたのですが、来年は自分でしっかり咲かせたいと思います。