セルバチコとルッコラ

セルバチコって?

おいしい野菜なので,ぜひ育ててみてほしいなと思ってセルバチコとルッコラについて書いてみようと思います。
セルバチコはなにか?あまり馴染みはないですが葉もの野菜です。ピリッとした辛さと苦み、それに強いごまのような風味が特長で、サラダなど生食で食べるのが一般的です。さほど流通していませんが、タネさえ入手できれば手軽に育てられ、主観ですがまあ…味もよいので家庭菜園やポタジェにも最適だと思います。少し変わったものを育てられるのも家庭菜園の醍醐味のひとつ、そういう点でもおすすめです。

似ているルッコラ

似たものに、ルッコラがあります。ルッコラはセルバチコと同じようにごまの風味がしてサラダなど生食で利用されます。日本ではむしろこちらの方がセルバチコよりよく知られており、広く普及しています。イタリア語でルッコラのことをルーコラ(ruchla)もしくはルケッタ(ruchetta)、セルバチコをルケッタ・サルバティカ(ruchetta salvatica)と言います。salvaticaは「野生の」と言う意味なので、呼び名だけで解釈すると、セルバチコは「野生のルッコラ」と言うことになります。しかし、ルッコラとセルバチコは属の異なる別物の植物なので、「セルバチコはルッコラの野生種」とか「原種」と説明するのは植物学上は誤解が生じます。

どう違うのか

セルバチコ
セルバチコ
セルバチコはアブラナ科ディプロタキス(Diplotaxis)属の植物で、およそ35種の仲間が知られています。俗にセルバチコとして親しまれているのはテヌイフォリア〔D. tenuifolia〕と言う種です。本種は多年草で、葉はミズナのように深く切れ込んでいます。色は濃緑色です。春~初夏に花茎を伸ばして、その先端に4枚の花びらをもつ黄色い花を数輪ずつ咲かせます。ロボウガラシの和名があります。

ルッコラ 虫食いだらけ…
ルッコラ 虫食いだらけ…
ルッコラは英名のロケットの名前でもよく知られます。アブラナ科エルーカ(Eruca)属の植物で、ベシカリア〔E. vesicaria〕一種のみで構成されています。俗にルッコラとして親しまれているのはベシカリアの亜種サティバ〔subs. sativa〕ということになっています。花後に枯れてしまう一年草で、葉っぱはいくつかに切れ込みます。春~初夏に花茎を伸ばして、わずかにクリーム色がかった白い花を咲かせます。花びらは4枚で十字に並び、表面には茶色っぽい筋が入ります。キバナスズシロの和名があります。

写真で見る違い

セルバチコの花
セルバチコの花

ルッコラの花
ルッコラの花
言葉ではわかりにくいので、写真で比較してみたいと思います。まずは花です。上の写真の1枚目がセルバチコ、2枚目がルッコラです。色や形など、一目見ても全く異なるものだとわかります。

セルバチコの葉
セルバチコの葉

ルッコラの葉
ルッコラの葉
同様に上の画像はそれぞれの葉っぱです。1枚目がセルバチコで2枚目がルッコラです。苗が小さいうちはいずれも切り込みのあまり入らない葉っぱが出ますが、大きくなるにつれてしっかりと切り込みのある葉っぱが出てきます。セルバチコのほうはかなり細身ではっきりと違うことがわかります。

味の違い

はっきり言って目隠しして食べ比べるとわからないんじゃないか…と思います。どちらもごまの風味が強いです。あえて言えば、セルバチコのほうが苦みが強い分全体的に野性味があります。また、それに比べるとルッコラはくせがなくて食べやすく感じます。なじみが少ない野菜ですが,ほかのリーフ野菜類とはまた違った風味で,少しサラダとかに混ぜるとおいしいしあんまり飽きないので,個人的には一度つくって食べてみてほしい野菜です。

栽培の手引き

実際育てた上での単なる感想なので,あまり役に立たないかもしれません。
セルバチコもルッコラも春か秋にタネをまいて育てます。基本的に栽培法に違いはないです。地植えは条まきにして間引きながら育てていきます。土を入れたコンテナや鉢にばらまきにして育てても良いです。水が下に抜ける容器ならあんまり気にしなくていいと思います。また、ちっちゃな苗も独特のごま風味はするので間引き菜も使わない手はないです。
春蒔きなら発芽後1ヶ月半くらいから収穫できます。大きくなった下の方の葉をちぎって収穫します。梅雨頃に花が咲くまで順次収穫可能です。秋蒔きは冬を越して春に収穫できます。春蒔きに比べると収穫できるまで時間がかかりますが、暖かくなるとどんどん葉を出してきて,結果的に春蒔きより沢山収穫できます。セルバチコに関しては雪や霜にあたっても枯れることはなかったです。ルッコラは春蒔きしかしたことないのでわからないです。
青虫とアブラムシがよくつきます。特に青虫は茎に沿って隠れていたりして見つけにくいです。油断すると丸裸にされるので早めに取っ捕まえましょう。
肥料はタネをまくときに,ゆっくり効く粒の肥料を混ぜ込んでおけば特にいらないと思います。ときどき液体肥料を追肥で与えてもいいかもしれませんが,セルバチコは追肥しなくてもよく育ちました。水は鉢植えの場合,土の表面が乾いたらたっぷり与えます。