二世代目のパンジー

シャロン・ジャイアント(以下、シャロンGT)という品種のパンジーがあります。フチが激しくよれて花びらの模様も何とも特徴的でモダンなパンジーです。ちょっと好みが分かれるかもしれませんが自分はとても好きです。フリルと言うより、なんとなくあらぶったブロッチの模様が何とも言えません。F1品種が大半を占める中、スイス・ジャイアントとともに古くから愛される固定種です。「固定種だったら、自家採取で同じ性質のものができるんじゃないか?」と2013年の春に少しタネを採種しました。そんな2世代目のパンジーについてです。
pansy シャロンジャイアント↑シャロンGT、採種に利用した株の一部(2013/3~4)
それを2013年の秋に播きました。あるていど発芽したのですが、暑さで水切れさせてしまい、ほとんどが逝ってしまい4株だけ生き残りました。残ったものも生育はよくなく、定植はしましたが、余り花は期待してませんでした。
2014年3月、気温の上昇とともに2株がつぼみを付けて花を咲かせてくれました。
pansy orginal hybrid 1↑自家採種株1 ほとんどフリンジしません(2014/3)
親となったシャロンGTに比べると、花は二回りほど小さく花びらのフチはほとんどよれません。ヒゲのような模様のブロッチは健在です。もしかしたら隣に植えていたスイス・ジャイアントと交雑してしまったのかもしれません。適当に花粉付けたりしていましたから…。花や株の大きさに関しては、自分の栽培が至らなかった可能性のほうが大きいです。
pansy original hybrid 2↑自家採種株2 シャロンに近い花姿ですが、やはりほとんどフリンジしません(2014/3)
そして少し遅れて、3株目が咲きました。先入観も入っているのですが、雰囲気的にやっぱりこれはスイスGTとの雑種なんじゃないか、と思いました。
pansy original hybrid自家採取株3 黄色地にブロンズのリングが入っています(2014/4)
採取してタネをまいて花が咲いての生育サイクルが1年で完結するので、毎年花が確認できるのはいいと思います(原種シクラメンなど、初花までに3年~4年くらいかかるものもあります)。昨年はなかった花色のものが咲いてくれるところなど、興味は尽きません。育種にはまるきっかけは、こんなところにもあるのかも、と思いました。たくさん花が咲いてくれたらまたタネを採ってまいてみるつもりです。とりあえ今後の期待と咲いてくれた御礼を込めて、リンカリ液肥をあげました。

セロジネの交配種いろいろ

セロジネとはなんぞや?と言う方は、「セロジネとその魅力」をご覧ください。
セロジネ交配種の花は似たようなものが多いですが、じっくり見るとちょっとずつ異なる違いが楽しかったりします。特にリップの色合いや模様の違いが堪らなくもあります。そんな交配種を紹介します。

インターメディア Coel. Intermedia

Coelogyne Intermedia代表的なセロジネの交配種です。生育も旺盛で、バルブの数も年々増えていって大株の開花は見事です。リップにレモンイエローの模様が入ります。芳香はややきつめです。花が一回り大きな大輪の品種マグニフィカム(Coel. Intermedia ‘Magnificum’)も比較的よく知られています。Coel. cristataとCoel. tomentosa(= massangeana)を掛け合わせた原種同士の交配です。花姿や性質が非常に優れているので、交配種の親としてもよく用いられているようです。

コスモ-クリスタ Coel Cosmo-Crista

Coelogyne Cosmo-Cristaインターメディアを少し大きくしたような花です。リップに入る模様はやや濃いめの黄色で、とりあえずそこで違いがわかります。花も若干こちらの方が大きめに見えます。こちらも芳香はややきつめです。基本的な性質はインターメディアと変わりません。Coel. Intermedia × Coel. cristataの交配種です。シンジュクと名前が振っていることがあるのですが、新宿御苑で作出された品種かはよくわかりません。

メモリア・オカミ Coel. Memoria Okami

Coelogyne Memoria Okami新宿御苑の品種で、シンジュクNO.7(資料によってはNO.8)のナンバリングがされています。花茎は下垂せずにやや斜上する性質があります。花はコスモ-クリスタに似ますが、上萼片が立ち上がるので見た目の雰囲気はやや異なります。名前に含まれるオカミはおそらく、セロジネの交配種をたくさん作出された岡見義男さんの事だと思われます。Coel. Intermedia × Coel. Shinjyukuの交配です。

メモリア・サダコ Coel. Memoria Sadako

Coelogyne Memoria Sadako新宿御苑の品種で、シンジュクNo.6のナンバリングがされています。ほかの交配種に比べると花数はやや少ないですが、存在感の強い大輪です。リップ全体が赤褐色に色づき迫力があります。どことなく片親である原種スペシオサの雰囲気を持っていると思います。色彩とか全然違いますが。Coel. speciosa × Coel. Intermediaの交配です。

たのしいリトープス

Lithops aucampiae ex. J・B(日輪玉)▲紫勲玉 ※画像クリックでflickrの大きな画像(別ウインドウ)

あらがえない魅力

Lithops julii subsp. fulleri(福来玉)▲縦に裂けて新葉が覗く福来玉
リトープスは以前盛大に溶かしたことがあるので、少し敬遠していた植物です。しかし、その魅力にはあらがえず、数年前から一鉢、そしてまた一鉢とささやかに育ててきました。様々な模様と言い色合いと言い、何とも言えない味のある美しさがあります。多肉植物特有の、光沢のある花も非常に美しいですが、どうも葉っぱの色合いと模様に惹かれます。特に、色々な株を並べたときの色や形の微妙な違いが楽しいです。
園芸的な観点からリトープスを見たとき、人によって育て方のスタイル(特に水やり)が大きく異なるなあ、と言うのが一番最初に思った感想です。植物は環境によって栽培方法が千差万別だとは思いますが、特にリトープスはその違いが顕著な感じがします。元気に育っていれば、どれも正解なのだと思います。

チキンな水やりとびびる日々

Lithops lesliei var. mariae(摩利玉)▲生き残った摩利玉
今ひとつ、生育期と休眠期の判断が付きにくいので、水やりはかなりチキンな感じでおそるおそるやってます。底から抜けるくらいたっぷり水をやれと言いますが、冬や夏は怖いので表面ぬらす程度にしかやらなかったりとか、そんな感じです。基本的には、忘れた頃にふと気づいて水をやっているような気がします。
シワが寄ってきたら、すわ根腐れか!とびびってみたり。夏でも水やったらパンパンに膨れて、なんだ生育中なのか、とびっくりしたり。福来玉(Lithops julii subsp. fulleri)などは縦に伸びたあげく、側面が裂けたりとか、同じように水やってても種によって差があります。そこがおもしろいとも思います。
昨年の夏に摩利玉(L. lesliei var. mariae)を一頭だけ溶かしてしまいましたが、同じ鉢に植わっているもう一頭は無事だったので、何だったんだろう。形はそのまま残っていて、中がどろどろになっている例の溶け方でした。
夏は風通しよくして熱が溜まらないように遮光もした方がいいな、と感じました。このあたりの夏の環境作りはランに似ています。でも60%遮光は大げさだったかもしれません。というか、ネットを外すのが面倒なので、一年を通して遮光状態です。株姿に変化がないので日照不足とは感じないのですが、もしかしたら花付きとかに影響するかもしれません。

リトープスのすすめ

L. fulviceps var. fulviseps (微紋玉)▲脱皮を始めた微紋玉
春は脱皮の季節です。中々脱皮しないものもあれば、早々に脱皮しているものもあり、その変化にまたどきどきする季節がはじまります。一見変化の少ない植物ですが、脱皮や開花などのイベントのほか、元気がいいと短い生育期間で一気に一回りくらい大きくなってくれたりと、育てがいのある楽しい植物だと思います。試行錯誤を楽しんで、自分の栽培環境下でのスタイルをしっかり確立するのもおもしろいのではないでしょうか。

電動ドリルで着生ライフ

なくても良いけど、存外に園芸でも便利な道具。今回は電動ドリルを紹介します。もちろん、穴を開ける道具ですが、具体的にどういう際に使うかというと
・ヘゴ棒を板状につなぐ
・ヘゴやバークチップを吊す
・植物を固定するワイヤーを通す
・名札を植物に直接付ける
・プラ鉢の通気性をよくする

などに使います。具体的にはランやチランジアなどを吊るす際など、着生植物をそれっぽく栽培したいときに活躍します(実際の使用例は記事の末尾に記載しました)。

ドリルの選択

OLYMPUS DIGITAL CAMERA用途が大したことないだけに、大げさなドリルはいりません。そこで行き着いたのが、プラモ改造などに使うタミヤのハンディドリルです。これは手に収まる程度の大きさで単三電池2本(別売り)で動きます。完成品ではなく組み立てキットで、プラモデルみたいに自分で組み立てます。モーターや電極をボディーにはめ込んででギアを組み入れて、グリスを塗ってビスで締めて…30分位で完成です。購入した価格は1000円ちょいでした。径1mm~3mmのドリル刃に対応しています。おもちゃみたいな見た目ですが、ヘゴ板やバークチップ程度なら、空回りせずしっかりと穴を開けられます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAドリル刃は1本しか付いていないので、もう少し大きな穴や小さな穴を開けたい場合は、同じタミヤのドリル刃セット(別売り)などが必要です。

ハンディドリルの注意点

《よい点》
・基本性能(穴開け能力)がしっかりしてる
・リーズナブルでお手軽
・電池なのでコードレス(コンセントの離れた場所でも使える)
《注意点》
・組み立て式である→組み立て失敗したら動かないかも
・逆回転ができない→貫通後にドリル刃が抜きにくいかも
また、厚みのある素材はドリル刃の長さが足りないことがあるかもしれませんし、硬い素材に対してはおそらくパワー不足です。
色々な利用を想定されているなら、通常の電動ドリルがよいでしょう。

実際の使用例

短く切ったヘゴ棒を板状にする際、鉄線を通して固定させるための穴を開けました。
短く切ったヘゴ棒を板状にする際、鉄線を通して固定させるための穴を開けました。

 

バークチップを吊すため
バークチップを吊すため

 

名札を植物に付けるため
名札を植物に付けるため

 

プラ鉢の側面に通気性をよくする穴を開ける(縦長のスリットは最初から開いていたもの)
プラ鉢の側面に通気性をよくする穴を開ける(縦長のスリットは最初から開いていたもの)

夏のファレノプシス・ベリーナ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ファレノプシス、要するにコチョウランの仲間というと、ゴージャスな花を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実にいろいろな系統があります。その中でも夏から秋咲きのファレノプシス・ベリーナ〔Phal. bellina〕はとっつきやすくて花つきのよい、お勧めのファレノプシス原種です。

とっつきやすいと思うポイント

・ある程度強い日射しでも葉焼けしにくい
・気温が高くて元気な時期につぼみを付けるので、低温や生育不良でつぼみが枯れることが少ない
・比較的低温にも耐える(経験では5℃~7℃程度)
・花の香りがよい(個体差や季節でちがいがあるかも)

こんなところが通常のコチョウランと違う

生育サイクルなどが通常のコチョウランと少し異なるので、その「違い」を見ていきましょう。
その1 花の咲く時期が違う
通常
冬の休眠期に花茎を伸ばして春に咲くものが多いです。
ベリーナ
春に気温が高くなってくると花茎を出して、夏のはじめから秋の終わりくらいまで開花します。

その2 花の咲き方が違う

つぼみを付けながら花茎をさらに伸ばしていきます。
つぼみを付けながら花茎をさらに伸ばしていきます。つぼみの右側に見えるのが花茎の芽先です。

通常
ややタイムラグがあるものの、同時期にたくさんの花が咲きます。花茎の先端のつぼみが咲ききれば、切り戻したりしない限り、それでその花茎の開花は終わりです。
ベリーナ
まず、花茎が少し伸びて1つのつぼみがつきます。そのつぼみがある程度大きくなると、更に花茎を少し伸ばして新たなつぼみをつけます。それの繰り返しで、つぼみをつけながらどんどん花茎を伸ばしていきます。一度に見られる花数は1輪~2輪程度です。枯れたら次のつぼみが咲く、と言った感覚に近いです。一株から複数の花茎を出すこともよくあります。1本の花茎で数年間花を咲かせ続けることもあります。また、秋に少しだけ出た花芽が咲かずに冬になって生長が止まり、春になって伸び始めることもあります。

その3 葉や根っこが違う
通常のコチョウランに比べて、葉の厚みが薄くて、光沢があります。根の太さはやや細めです。その反面、花びらにやや厚みがあります。水を貯蔵したり乾燥に耐える必要のあまりない、案外湿潤な環境に自生しているのかもしれません。

共通するところ

全体。葉の出方などは通常のコチョウランと変わらないです。
全体。葉の出方などは通常のコチョウランと変わらないです。

1枚の葉っぱが生長したら、次の葉を出すと言う成長の仕方は共通しています。全体的な株姿も同じようなものです。栽培も通常のコチョウランに準じるところはありますが、ベリーナのほうが性質は強めで育てやすいと思います。

栽培雑感

置き場所
うっかり葉焼けをさせたことがないので、日射しには比較的強いようです。冬以外は基本屋外の半日陰ですが、通常のファレノプシスよりも明るい場所 -真夏でも午前中少し日の入るところ- でよく育っています。その方が花付きがよいような気がします。風通しのよい場所に吊しておくと機嫌がいいです。冬は室内に置いてますが、5℃~7℃程度の室内でも特に枯れていません(生長は止まります)。
日常の管理など
用土はバークチップを使い、素焼き鉢に植えています。水やりは夏は毎日、春と秋は乾いていたらたっぷり、冬は2週間に1回くらいです。肥料は梅雨頃から2週間に1回くらい薄めの液肥を与えてます(秋まで)。あまりたくさん要りませんが、少し与えると元気のような気がします。
花芽や葉の一部がなにものかに食害されたことがあるので、春先にスプレー式の薬剤を1度だけ散布しています。ナメクジではないと思う。
注意点
花茎が緑で生きているうちは切らないようにします。寒くなると生長が止まりますが、季節が変わって暖かくなると伸びて花を付けることが多いからです。

その他

見た目がすごくそっくりな仲間に、ファレノプシス・ビオラケアがあります。ベリーナとビオラケアは今ひとつ違いがわかりません。これらの原種って個体差とか地域差が多そうなので、さらに混乱します。
香りがよいと書きましたが、同じ花でもほとんど香らないときもあれば、すごく香りが漂うときもあり、夜とか朝とか時間帯で差があるのかもしれません。

季節はずれのデンドロ

ノビル系交配種は早春から春にかけて花が咲くのが一般的ですが、まれに季節はずれの梅雨時に少しだけ花を咲かせることがあります。

季節はずれに咲いたデンドロ

ヒメザクラ 'フジッコ'
ヒメザクラ ’フジッコ’

6月~7月ころの季節はずれ開花は大体花芽ひとつくらいで、開花すると2~3輪程度と株全体で見るとおまけみたいな開花ですが、特に変わらずきれいです。また、花芽がついてから開花するまでが1ヶ月~1ヵ月半と非常に早いのが特徴です。気温が高くて潤っていてデンドロにとってはよい季節なのでしょう。通常は10月~11月に花芽が出てきて、少しずつ大きくなって開花するのは2月~4月頃です。

なぜ季節外れに咲くんだろう

イエローソング 'キャンディー'
イエローソング ’キャンディー’

なぜ季節外れに少しだけ咲くんでしょうか。ちょっと考えてみました。
1本のバルブでも、上と下では成熟スピードが違います(見た目は変わらないです)。真ん中のあたりが一番早く成熟して、花芽もこのあたりが一番つきやすいです。それに比べて上や下は成熟スピードが遅れるので、上とか下が成熟しないまま冬を迎えてしまって、真ん中だけ花芽ができて春に開花、暖かくなって再び生長を始めて花芽のつかなかった箇所が成熟し、花芽を作るのではないかと思います。また、バルブが成熟してから一定の低温に当たらないといけない、といいますが、現在の交配種はいろいろな種が複雑に交配されていて、品種によっては低温が必須条件となっていないのかもしれません。生育期と休眠期もややあいまいですし(開花と新芽伸長が同時にすすんだりとか)。季節はずれ開花は、自分のところではバルブの先端のことが多いです。
寒さが来るまでにしっかりと作り込めたら、こんなことにならないのかなあ、とも思います。むずかしいです…。

ホリドータ キネンシスはよく咲く

Pholidota chinensisってこんなの

OLYMPUS DIGITAL CAMERA洋ランというよりなんとなく山野草とか野生蘭をほうふつとさせます。ぶっちゃけ言えば、おとなしくて地味めですがすごく丈夫です。
種小名の示すとおり、中国とかに分布する原種です。中国と言っても南部の方で、分布域にはミャンマーやインドシナなど東南アジアも含まれます。セロジネに近いと言うことで、水多めで夏は日陰で育ててます。肥料は夏前に1回くらいやりますが、ほとんど無肥料です。肥培した方がバルブが充実してたくさん花は咲くかもしれませんが、秋までやると今度は花付きが心配なので、花後に最低限だけやってる感じです。でも…やっぱり小さいバルブから出た花穂は、短くて花数も少ないです。
バルブの上にやや硬めの葉っぱを2枚付けます。緑が濃くて光沢があり、立てに数本の筋が入ります。3月頃から花茎が上がってきて、5月に入って気温が高くなると一気に開きます。花はリップがくっきりした白色で他は透明感のある薄白、大きさは1cmくらいです。花茎を湾曲させて花茎が垂れ下がるように咲きます。

日射しとか

OLYMPUS DIGITAL CAMERA遮光はネットをしているわけじゃないのではっきり言えないのですが、夏に置いている場所は遮光率50%~70%くらいになってるんじゃないかと思います。ファレノプシスが葉焼けしない程度の場所です。セロジネ・インターメディアが同じ場所で(おそらく日照不足で)作落ちしちゃったんですが、ホリドータは特に問題なく花がいつも通り上がってきたので、日陰はけっこう好きみたいです。毎年6月頃までは午前中いっぱい日の当たるところに置いてるのですが、葉焼けはしていないです。ときどき葉先が枯れてることがあるんですが、これは水不足かなあ…と思ってます。わかんないですけど。

寒さとか水やりとか

寒さには強いです。最低気温が5℃切るかな、といった時期になったら室内に取り込んでます。冬の水やりは2週間に1回だと思います。鉢を持ち上げてえ、「うわっ、(乾きすぎて)軽くなってる!」と感じたときにやってるのっで正確にはわからないです。春から秋は適当にびしゃびしゃやってます。プラ鉢を使って発酵バーク(ネオソフロン)で植え付けてますが、今のところ根腐れは大丈夫です。ちゃんと育てて、バルブぴっちぴちの株に仕立ててあげたいなと思うのですが、ほぼ放置でも元気なので、毎年そんな感じになっています。

一息ついて初夏のラン

春の洋ラン開花ラッシュ(といっても、当方ではそんなことはないですが)が一息ついて、次は初夏のランです。といっても春に咲くものが遅れてようやくとか、不定期咲きのものがちらほらといった感じです。

Dendrobium Uaeng Thugne デンドロビウム ウェン・ツェン

OLYMPUS DIGITAL CAMERAみんな大好き黄花の原種、Den. lindleyi(リンデリー)をそのまま小さくしたような姿の交配種です。リンデリーは育てていないので知らないのですが、ウェン・ツェンはすごく花つきがよい種です。リップのふちが細かく切れ込んでいて、奥に行くほど黄色が濃くなり何か引き込まれそうな魅力があります。

Angraecum leonis アングレカム レオニス

OLYMPUS DIGITAL CAMERA咲いて間もないころはほんのり緑色がかっていて、なんとなくはかない雰囲気。夜に香るというのですが、当方にある株は全く香りがしません。距がみょーーんと長く伸びる姿が特長的です。ペタルが妙に反り返るのですが、そういう個体のメリクロンでしょうか。ホームセンターなどで見るレオニスも同じような花姿のものが多い気がします。昨年の11月ころから花芽が伸びてきて、無加温で冬越しさせて咲いたのが今でした。

Phalaenopsis sp. コチョウランの一種

OLYMPUS DIGITAL CAMERA3~4年前にやってきた花終わり品。どこにでもある中輪咲きの白花コチョウランです。これも、昨年10月ころからは花茎が伸び始めたのですが、4月の終わりころから1輪目が咲きはじめ、つぼみが一通り開いたのはちょうど今頃です。早めに花を終わらせて、葉の生長に栄養を持っていたほうがよいかもしれないです。

ノーコンポスト・マイライフ

1.はじめに

着生ランは別に水ゴケとかコンポスト(ここでは植え込み材料のこと)使わなくても育つんじゃないか?ということで、思いつきでやってみました。バンダの木枠バスケット植えなんかは、バスケットに根を突っ込みますがそれだけで、コンポストは使いません。なら、他のものでもできるんじゃないか…。実際やっておられる方もたくさんいそうですが、自分なり試行錯誤でやってみたいと思います。どうすれば正解なのか、そんなモノはないです。
もくじ
1.はじめに
2.コンポストの役割
3.ねらい
4.作業の手順
5.これからの管理

2.コンポストの役割

で、コンポストの役割を単純に考えると「保水と植物の固定」です。保水は根に適度な水分(もしくは肥料分)を与えることで、植物の固定は根をしっかりと張るためのとっかかりです。要するに根、長じて植物が元気に育つためのサポートするもの、それがコンポストだと考えます。

3.ねらい

ヘゴづけのディネマ
ヘゴづけのディネマ
このふたつ「保水と植物の固定」がクリアできれば、コンポストがなくても育つのではないかと思います。いや、あくまで憶測ですがむしろ元気に育ってくれるのではないか、着生だもの。コンポストは必須か否か、そこがねらいです。まっさきに思いつくのはヘゴやコルク付け。ばしっと決まりますが、手に入りにくい上に、手軽に使うにはそれなりにします。最初に新根が伸びてくるまで水ゴケをサンドして付けたりするので、ノーコンポストとはいえないかもしれません。そして手元にあるものでできたらいいなということで、恐ろしく不格好ですがポリポットにノーコンポストでお気楽に育ててみようとおもいます。

4.作業の手順

OLYMPUS DIGITAL CAMERA今回用意したランはコレ、名もなきファレノプシス。花終わりの処分品を手に入れることができたのでこちらで育ててみます。ファレノプシスを選んだ理由は「根が太くて水ゴケをひっぺ返す作業がラク」「空気中に根がさらされている状態がむしろ好き」などです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAポリポットから出して水ゴケをはずしていきます。根が太くて数もさほどではないので、丁寧に行えば根は傷つかずにキレイに水ゴケをはずせます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA水ゴケを取り去った状態。傷んだ根を丁寧に切り取っていきます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA根をキレイに掃除した状態です。これだけ元気な根があればちゃんと元気に育つでしょう。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAラン線の下をL字に折り曲げて、ビニタイで固定します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA最初に植わっていた透明ポリポットを鉢に使います。底からL字部分を出します。透明ポリポットを使うのは、鉢内の根の状態や湿り具合がわかりやすいからです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA軽くて棚に置いても倒れてしまうので、吊して管理します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAじゃーっと水をやると、底の部分に少し水がたまります。このたまった水分で鉢内の湿度が高くなってちょうど具合よくなるんじゃないかと思います。直射日光に当たると、内部が暑くなりすぎたり蒸れる予感がするので、風通しのよい半日陰で育ててみます。

5.これからの管理

水のたまり具合や鉢内の水滴の加減を見つつ水やりしていきます。風通しのよい半日陰で、新葉と新根の発生を促して元気なようなら施肥を少量行います。予想されることは、夏にひどく乾いてこまめな水やりがいるんじゃないかということです。遮光でその辺りをなんとかできないか…今後どうなるかはわかりません。つづく、かも。

プラ鉢はアツイですか

着生ランの栽培は通気性の点で素焼き鉢を使うことも多いです。コンポストを工夫すればプラ鉢でもよく育つので、あえて素焼き鉢にこだわる必要はないかもしれませんが、やっぱり自分も素焼き鉢を多用しています。むかし、調子のってまとめ買いした2.5号の素焼き鉢がどこかにまだ眠っているはずです。
プラ鉢+水ゴケでは乾きにくく通気性もあまりよくないので、プラ鉢+発酵バークもしくはベラボンなどで植えることが多いです。コレだと適度に水分を保ちつつ、通気性も抜群によいので根腐れの心配も少ないです。通気性のよい特殊なプラ鉢もあります。それらは機能美みたいなのがあり、おもしろい形をしています。それはそれで楽しいので、小型の洋ラン栽培に使ってる古典園芸植物用のプラ鉢を2つほど紹介します。

富貴蘭鉢

OLYMPUS DIGITAL CAMERA富貴蘭(フウラン)用のプラ鉢です。口径と高さが同じくらいで、鉢口には帽子のような「つば」、底面には足が付いています。安定感のあるボディーです。側面は太いスリットが2本1対で8本上から下まで入っています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAご覧の通り、底は抜けてます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA植えた感じ。フウランがないので、アスコフィネチアを植えています。水ゴケの詰め方をゆるめにするとすぐ乾くので、通気性は抜群によいと思います。アスコセントラムやナゴランなど単茎性の小型種でも、見た目的にばっちりはまるんじゃないかと思います。というか、そう思って購入した鉢です。

長生蘭鉢

OLYMPUS DIGITAL CAMERA長生蘭(セッコク)用のプラ鉢です。すらっと細長いグラマラスなボディーです。側面中程に太いスリットが2本3対はいっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこちらも同様に底抜け状態です。厚みはぐっと押すとぐにゃっとへこむ程度です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAセッコクを植えてみました。ノビルとかの原種デンドロの小苗とかもよく合うんじゃないかと思います。

思ったこと

軽いけども、セオリー通り山だかに植え付けると重心が中心あたりにくるのか、安定感が存外にあります。しかし、一番強く感じたことは、それぞれの鉢にフウランやセッコク、もしくはそれに近い草姿の着生ランを植えたら見た目がばっちりはまる、ということでしょうか。単に栽培上の合理性ということ以上にそれを強く感じました。