デンドロビウム 原種に近い交配種

デンドロビウムはやや渋めでマニアックな原種から、山野草のような趣があるセッコク、鉢花として気軽に楽しめる育てやすい交配種まで、育てる楽しみはよりどりみどりです。Den. moniliforme

Den. moniliforme(セッコク)の一種

交配種は色々なものがありますが往往にして花色もカラフルで、なんと言ってもとっつきやすいのが特長です。価格も比較的リーズナブルで、ホームセンターなどでも冬から春にかけて、わっと花の付いたものが多く出回ります。交配種はたくさんの原種が関わっていますが、現在見られる交配種の大元となった原種で一番有名なのは、Den.ノビルでしょう。特に小型で寒さに強くて丈夫な交配種にはDen. モニリフォルメ(いわゆるセッコク)が親となっているものが多いですし、黄色系ならDen.フレデリックシアナムなどが重要なのではないかと思います。

Dendrobium friedricksianum

Den. friedricksianum(フレデリックシアナム)


ややマニアックでありますが、その交配種を見てどんな種が親となっているのかを想像するのも非常に楽しかったりします。興味があればRHSのサイトで、登録されている交配種の系譜を調べることができます。そんな楽しいデンドロビウムの交配種、その中でも原種に近いプライマリー交配種を紹介します。

プライマリー交配とは

交配種は色々な種を何世代も交配して作出されているものが多いですが、原種同士の交配種もあります。というか、交配は原種同士の交配からはじまるので当然です。そして、原種同士の交配を「プライマリー交配」と言います。
現在見られる最新の交配種のようにボリュームや豪華さはないですが、原種の特長を残しつつ、少し違ったような素朴な美しさをもっています。変なところに言及すると、100年くらい前に作出された交配種なんかもあり、何となくロマンがあったりなかったりです。もちろん株自体はその当時のものではありませんが、些細なことです。

Den. Cassiope デンドロビウム・カシオープ(カシオペ)

Dendrobium Cassiopeカシオープはノビルとセッコクの交配種で1890年に登録されています。ノビルにもセッコクにも変種や個体が多いので、その組み合わせで花姿や性質の異なるカシオープがあります。この個体の花姿はかなりセッコクよりですが、かなりノビルに近い個体もあります。Den. Cassiope 2上の画像は京都植物園で見たモノですが、確かカシオープのラベルが付いていたと思います。ノビルだったかもしれません…、間違っていたらスイマセン。
性質はセッコクと同じくらい丈夫です。花は前年バルブにつくことが多いですが、本年バルブにも付きます。交配種の中では一番開花が早い部類で、12月頃から咲き始めます。新芽も早いときは2月頃から伸び始めます。株姿は両者の中間的な雰囲気で、バルブはノビルほども太くならずセッコクほども細くないです。’ミス・ビワコ’という美しい個体があるそうですが、自分は見たことがありません。

Den. Aoyama デンドロビウム・アオヤマ

Den. Aoyamaアオヤマはアダンカムとセッコクの交配種で1924年に登録されています。花のないときの姿は上記のカシオープに似ているか、ほとんど同じです。花色はピンクでリップの喉が少し黄色く色づきます。花色はアダンカムから、花姿はセッコクからとったような雰囲気です。やや花びらがふっくらしたかわいらしいセッコクにも見えます。カシオープ同様に育てやすいです。花付きはよい方だと思います。ネットで画像を検索すると、かなり異なる花姿のものが見られるので、個体の組み合わせが異なるものもあるのかもしれません。

セッコク×ピエラルディー交配種

Dendrobium moniriforme \'Syuyo\' × pierardiiセッコクの紅色品種と原種ピエラルディーの交配種です。ややうつむき気味に花を咲かせるのですが、下から見上げるとすごくキレイです。バルブは直立せず、斜上する傾向があるようです。花の咲いた状態で手に入れたのですが、来年は自分でしっかり咲かせたいと思います。