ムスカリ再発見

ムスカリ
昨秋にホームセンターでいろんなムスカリを購入してみました。まとめて植えるとカラフルでいいんじゃないかと思い、品種を混ぜてみました。いろんな花色が混ざると全体的に奥行きが出てムスカリだけでもよい感じです。ただ、やっぱりチューリップなど背の高い草花と寄せたほうがよりいいんだろうなと思いました。
ミックスしたのは品種名がわからなくなってしまったのですが、品種ごとに植えつけたものが4つあるので、それを紹介します。
ムスカリ ラティフォリウムラティフォリウム 花1つずつがやや細長く、花穂全体も細く見えます。色は暗めの青紫色で花立ちはさほど多くないです。先端に付く花が淡い青色でそのちょこんとしたアクセントがかわいらしいです。幅の広い葉っぱを球根1つにつき、1枚だけ出します。そこが何となく他のムスカリと違っておもしろいです。なんとなく野趣があって、全体的に控えめです。
ムスカリ レディブルー 水色レディブルー 水色 透き通るような淡い水色の花です。
ムスカリ マウントフットマウントフッド 花色は淡い紫色で先端に付く花が白色になります。栽培した中では、一番開花が早かったです。
ムスカリ アルバアルバ ラベルにはアルバと書かれていましたが、何のアルバなのかはわかりません。名前通り、真っ白な花を咲かせます。花がたくさん付くのか、花穂はやや長くなります。青紫系のムスカリの中に混ぜると、よいアクセントになります。


ムスカリはそれだけでもキレイでかわいらしい花ですが、他の草花と合わせることにより相乗効果でお互いを引き立て合います。
一番の定番はチューリップとの組み合わせですが、同じ時期に咲く春咲き草花なら種類を選ばず相性はよいでしょう。たくあんあるムスカリの中で一番よく育てられているのは、俗にアルメニアクムと呼ばれている種でしょう。濃い青紫色で、ブドウの房のような花を咲かせるので、ブドウムスカリと呼ぶ人もいます。一度植えておくと、毎年増えていく強健さです。花壇から逃げ出したのか植えた覚えのないようなところで花を咲かせることもしばしばです。
いろんな種類が出回っているので、興味があれば是非育ててみてください。品種ごとに若干の差があると思いますが、植えっぱなしでもよく育ちます。
ただ、植えっぱなしだと秋の初めくらいに休眠から覚めて葉が盛大に長く伸びて、開花するときはだらしない格好になります。俗に言う、「ムスカリの葉っぱびろびろラーメン状態」です。
少し手間ですが、ポイントとして

[note]・花後に葉っぱが枯れてきたら、掘りあげて貯蔵する
・あまり早く植え付けない[/note]
の2点が挙げられます。関西平地なら、植え付けは12月はじめくらいまでなら、じゅうぶん春の開花に間に合います。ありきたりで定番の球根植物ですが、今回はムスカリのかわいらしさを再発見した感じです。

牧野富太郎の本

日本の植物学者といえば、真っ先に出てくるのが牧野富太郎でしょう。牧野富太郎を知ろうと思えば、著作や関連本を紐解くのが一番の近道ですが、案外たくさんの本が出版されています。
そこで、牧野富太郎に関する本を図鑑・著作・関連本に分けて紹介します。

図鑑

牧野富太郎の図鑑と言えば、植物好きならたいがい知っている「牧野日本植物圖鑑」がいっとう最初に挙げられるでしょう。植物体の正確な描写とよくまとまった説明で、調べ物をするのにもときおりパラパラめくるのも楽しい図鑑です。ビジュアル的にキレイな図が見たい方は図版がカラーの「原色」版もあります。牧野植物図鑑には4冊組みのコンパクト版やリーズナブルな学生版なども含めて多くの種類が出回っています。


そんな中でも、基本となるのは、新版ではないかと思います。基本的な内容は古いものと変わらないようですが、分類や学名表記は現在のものになおされています。細かい部分でも実用に耐えるよう、色々と加筆修正されていると思います。」図版はモノクロですが、逆に植物の輪郭や特長がしっかりと把握できると思います。卓上ならこれがおすすめです。[rakuten]001:9784832610002[/rakuten]
また、最新の原色版は「APG分類」に準拠しています。こちらは2冊組み(バラ売り)になっています。[rakuten]001:9784832609747[/rakuten]
このほかに、個人的におもしろいなと思うのは、昭和15年版を忠実に再現した(らしい)、『復刻版 牧野日本植物図鑑』です。仮名遣いが古くて、何となく味がありますが、相当に慣れないと読みにくいです。
牧野日本植物図鑑―復刻版(amazonのページへ飛びます)

図鑑以外の著作

図鑑以外で現在でも読める牧野富太郎の著作も数冊あります。多くが学術/学芸系の文庫で出版されていますが、現代の仮名遣いになっているので、特に苦労はしないと思います。


いろんなところに寄稿した記事や講演会の内容など文章に起こしたものをまとめたものが多いです。だから、内容は一貫せず、色々な方向に飛びます。また、けっこう内容がかぶっており、「自叙伝」「植物記」どちらかを読めばほかの著作のアウトラインがわかると思います。植物の知識的な内容もしっかりしているのですが、牧野富太郎の人となりを知ることができる内容、と言った方が正しいかもしれません。植物以外の内容も入っていますし。ユニークな人物だったのだなあと、ひしひしと感じます。牧野節炸裂、という感じです。「花物語」は植物記の続編ですが、特に内容が続いているというわけではありません。
[rakuten]001:9784061596443[/rakuten][rakuten]001:9784480091925[/rakuten][rakuten]001:9784480092724[/rakuten]『植物知識』は厚みのすごく薄い本です。植物ごとにわけてそれぞれについて説明しています。『植物一日一題』も個々の植物についてのお話です。こちらは普通に厚みのある文庫本です。「植物の名前は正確に使え、変な漢字を当てるな」的な内容が多いです。これらの本に関しては内容が植物に一貫しています。[rakuten]001:9784061585294[/rakuten]
[rakuten]001:9784480091390[/rakuten]

関連本

牧野富太郎について書かれた本も探すとたくさんあります。そんな中でも、テーマとしておもしろいもしろく、わかりやすいものを選んでみました。


当時出版された様々な植物図鑑と牧野富太郎の半生を絡めた視点がユニーク。第二章の「牧野植物図鑑の謎を追う」は黎明期の日本の植物図鑑を取り巻く状況なども垣間見えて興味深いです。[rakuten]001:9784582850178[/rakuten]
全国で植物採集を行った牧野富太郎の足取りを追う旅行記を中心とした伝記的な内容です。巻末の全国踏査・ゆかりの地マップがイラスト入りで楽しく、おもしろいです。
MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版(amazonに飛びます)

セロジネとシンジュクの関係

Coelogyne Memoria↑新宿御苑と縁が深いとされる、メモリア・サダコ(手前)とメモリア・オカミ(奥)。サダコにはシンジュクNo.6、オカミにはシンジュクNo.8(もしくはNo.7)のナンバリングがあります。
セロジネには「シンジュクNo.○○」とナンバリングされている交配種がいくつかあります。品種名のあととかに括弧付きで記載されたりしているので、正式な名称ではないのでしょう(これとは別に、正式な名前がCoel. Shinjukuという品種もあります)。なぜこんな名前がついているのか、疑問に思っていたのでこれについて少し考察してみたいと思います。少ない資料での考察で、憶測もふんだんに入っているので戯言と思って頂ければ幸いです。

日本におけるセロジネの交配と経緯

経緯として日本では新宿御苑で昭和のはじめころ、セロジネの交配種がいくつも作出されているので、それに当てられた名前だと思われます。新宿御苑はセロジネに限らず、日本での洋ラン育種・栽培の黎明期を大きく支えた存在です。御苑に奉職されていた岡見義男さんは10数のセロジネ交配種を作出されており、氏により作出された品種群かもしれません。岡見さんの著書に書かれていたセロジネに関する内容で少しおもしろい箇所があったので、抜粋します。
[note]筆者も10余種作出したが、実生は発芽しやすいものであるから、鮮明な改良種でも作出されたらおもしろいと思う。
「ラン 種類と培養」 より抜粋[/note]ここからも、セロジネに関心を持っておられたことがうかがい知れます。

時を経ての登録

当時ちゃんと登録手続きをしなかった(できなかった)のか、正式に登録されたのは21世紀に入ってからという新宿御苑系の交配種がいくつか見られます。メモリア・フクバ、メモリア・オカミ、メモリア・サダコ、メモリア・トキコなどがそれにあたります。作出されたのは昭和の初めのようで著書には

[note]・Coelogyne Memoria Sasako 1928年開花 NO.6
・Coelogyne Memoria Tokiko 1925年開花 NO.4
※いずれも写真に添えられた説明[/note]などの記載が見られます。文末のナンバーは試作段階のもので、これが通称としてシンジュクの名前を添えて「シンジュク No.6」のように使われるようになったのかもしれません。
さて、これらの交配種を登録情報を調べてみると、オリジネーター(交配者…交配を行った人や組織)はShinjikuとなっており、新宿御苑を指すのではないかと思われます。登録者はSuwada Orch.となっているので、須和田農園の、故・江尻光一さんでしょうか。江尻さんは現在見られる一般的な家庭園芸の礎を築いた一人で、NHK趣味の園芸ではおなじみでした。とりわけ、ランの育種や普及では有名で、セロジネを現在に広く紹介した方でもあります。セロジネに関してわかりやすく書かれた一般園芸書も手がけておられます。

[rakuten]001:9784140401972[/rakuten]
登録されていなかった交配種を、新宿御苑の名前をしっかり記して正式に登録されたのではないでしょうか。あくまで憶測ですが。

さいごに

ファレノプシスやカトレア類、パフィオペディラムなどに比べると変異の少ないセロジネは、品種改良の対象にならなかったと思います。それを証拠に、現在登録されている交配種もかなり少ないです。そんなランの交配を手がけた岡見さん、一般に紹介した江尻さん、両氏はさまざまなランの育種を手がけ、普及に努められましたが、セロジネにも強い関心を持っていたのかな、と感じます。

[note]参考にさせていただいたサイト様、文献
・RHSのOrchid Register
(http://apps.rhs.org.uk/horticulturaldatabase/orchidregister/orchidregister.asp)
・岡見義男著 ラン 種類と培養 昭和39年発行 誠文堂新光社[/note]

二世代目のパンジー

シャロン・ジャイアント(以下、シャロンGT)という品種のパンジーがあります。フチが激しくよれて花びらの模様も何とも特徴的でモダンなパンジーです。ちょっと好みが分かれるかもしれませんが自分はとても好きです。フリルと言うより、なんとなくあらぶったブロッチの模様が何とも言えません。F1品種が大半を占める中、スイス・ジャイアントとともに古くから愛される固定種です。「固定種だったら、自家採取で同じ性質のものができるんじゃないか?」と2013年の春に少しタネを採種しました。そんな2世代目のパンジーについてです。
pansy シャロンジャイアント↑シャロンGT、採種に利用した株の一部(2013/3~4)
それを2013年の秋に播きました。あるていど発芽したのですが、暑さで水切れさせてしまい、ほとんどが逝ってしまい4株だけ生き残りました。残ったものも生育はよくなく、定植はしましたが、余り花は期待してませんでした。
2014年3月、気温の上昇とともに2株がつぼみを付けて花を咲かせてくれました。
pansy orginal hybrid 1↑自家採種株1 ほとんどフリンジしません(2014/3)
親となったシャロンGTに比べると、花は二回りほど小さく花びらのフチはほとんどよれません。ヒゲのような模様のブロッチは健在です。もしかしたら隣に植えていたスイス・ジャイアントと交雑してしまったのかもしれません。適当に花粉付けたりしていましたから…。花や株の大きさに関しては、自分の栽培が至らなかった可能性のほうが大きいです。
pansy original hybrid 2↑自家採種株2 シャロンに近い花姿ですが、やはりほとんどフリンジしません(2014/3)
そして少し遅れて、3株目が咲きました。先入観も入っているのですが、雰囲気的にやっぱりこれはスイスGTとの雑種なんじゃないか、と思いました。
pansy original hybrid自家採取株3 黄色地にブロンズのリングが入っています(2014/4)
採取してタネをまいて花が咲いての生育サイクルが1年で完結するので、毎年花が確認できるのはいいと思います(原種シクラメンなど、初花までに3年~4年くらいかかるものもあります)。昨年はなかった花色のものが咲いてくれるところなど、興味は尽きません。育種にはまるきっかけは、こんなところにもあるのかも、と思いました。たくさん花が咲いてくれたらまたタネを採ってまいてみるつもりです。とりあえ今後の期待と咲いてくれた御礼を込めて、リンカリ液肥をあげました。

デンドロビウムの分類

Den. parishii
Den. parishii

デンドロビウム属はたくさんの種類があり、性質や形態のが激しく異なるものがたくさんあります。そこで、正確な分類が必要になってきます。ちゃんと理解できているかは自分自身で不明ですが、こんな感じかなと自分なりに解釈した「デンドロビウムの分類」に関する内容を記事にします。内容に関しましては、文末に記載しております「DENDROBIUM and its relatives」を参考にしました。洋書で自分の読解が謝っているかもしれないので、その点はお許しください。

古い分類から今の分類まで

デンドロビウムの分類を時代系列で追っていきましょう。まず、ルドルフ・シュレヒターによる4亜属41節の分類を見ていきます(1912)。
001
この分類は今でも広く認知されているのではないかと思います。デンドロビウム属を分類の根幹としています。
さらにF.G ブリーガーはその分類を大幅に見直し、属の上位分類であるデンドロビウム亜連(DENDROBIINAE)を6系列44属に分類しましたが(1981)、植物学者には受け入れられておらず、採用はされていないようです。

現在の分類

現在では、シュレヒター、ブリーガーの分類を合わせ、更に発展させたようなものもあります。「DENDROBIUM and its relatives(2000)」に掲載されている分類がそれです。この本ではデンドロビウム属を36節、さらに今までデンドロビウム属に分類されていた一部を格上げして12属にまとめています。更にその13属36節をデンドロビウム亜連でくくっています。階層ではなく、両方を混ぜてアルファベット順で一覧にしており、これはこれでわかりやすいので、一部抜粋して紹介します。ただ、この分類が広く認められているのかどうかはわかりません。あくまで解釈の1つとお考えください。
dendro
これを階層で簡単にまとめると以下のようになります。
dendro2

デンドロビウムの上位分類

今までの流れから考えると、上位分類の「亜連」更に上位の「連」から系統立てていかないと、すっきり分類できないのかもしれません。ちなみに、亜連より上位の分類は、以下のようになっています。
dra
単にデンドロビウムというと、デンドロビウム属の植物を指すのが一般的ですが、個人的には上位分類のデンドロビウム亜連に入れられている他の属も含めて、デンドロビウムと呼んだ方がいいのではないかと思います。
分類などに関しては↓以下の書籍が非常に詳しいので、機会があれば読んでいただきたいと思います。原種なども写真付きで網羅されているので、デンドロビウム好きには堪らないと思います。ただ、洋書(英語)です。

Dendrobium and Its Relatives

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セロジネの交配種いろいろ

セロジネとはなんぞや?と言う方は、「セロジネとその魅力」をご覧ください。
セロジネ交配種の花は似たようなものが多いですが、じっくり見るとちょっとずつ異なる違いが楽しかったりします。特にリップの色合いや模様の違いが堪らなくもあります。そんな交配種を紹介します。

インターメディア Coel. Intermedia

Coelogyne Intermedia代表的なセロジネの交配種です。生育も旺盛で、バルブの数も年々増えていって大株の開花は見事です。リップにレモンイエローの模様が入ります。芳香はややきつめです。花が一回り大きな大輪の品種マグニフィカム(Coel. Intermedia ‘Magnificum’)も比較的よく知られています。Coel. cristataとCoel. tomentosa(= massangeana)を掛け合わせた原種同士の交配です。花姿や性質が非常に優れているので、交配種の親としてもよく用いられているようです。

コスモ-クリスタ Coel Cosmo-Crista

Coelogyne Cosmo-Cristaインターメディアを少し大きくしたような花です。リップに入る模様はやや濃いめの黄色で、とりあえずそこで違いがわかります。花も若干こちらの方が大きめに見えます。こちらも芳香はややきつめです。基本的な性質はインターメディアと変わりません。Coel. Intermedia × Coel. cristataの交配種です。シンジュクと名前が振っていることがあるのですが、新宿御苑で作出された品種かはよくわかりません。

メモリア・オカミ Coel. Memoria Okami

Coelogyne Memoria Okami新宿御苑の品種で、シンジュクNO.7(資料によってはNO.8)のナンバリングがされています。花茎は下垂せずにやや斜上する性質があります。花はコスモ-クリスタに似ますが、上萼片が立ち上がるので見た目の雰囲気はやや異なります。名前に含まれるオカミはおそらく、セロジネの交配種をたくさん作出された岡見義男さんの事だと思われます。Coel. Intermedia × Coel. Shinjyukuの交配です。

メモリア・サダコ Coel. Memoria Sadako

Coelogyne Memoria Sadako新宿御苑の品種で、シンジュクNo.6のナンバリングがされています。ほかの交配種に比べると花数はやや少ないですが、存在感の強い大輪です。リップ全体が赤褐色に色づき迫力があります。どことなく片親である原種スペシオサの雰囲気を持っていると思います。色彩とか全然違いますが。Coel. speciosa × Coel. Intermediaの交配です。

たのしいリトープス

Lithops aucampiae ex. J・B(日輪玉)▲紫勲玉 ※画像クリックでflickrの大きな画像(別ウインドウ)

あらがえない魅力

Lithops julii subsp. fulleri(福来玉)▲縦に裂けて新葉が覗く福来玉
リトープスは以前盛大に溶かしたことがあるので、少し敬遠していた植物です。しかし、その魅力にはあらがえず、数年前から一鉢、そしてまた一鉢とささやかに育ててきました。様々な模様と言い色合いと言い、何とも言えない味のある美しさがあります。多肉植物特有の、光沢のある花も非常に美しいですが、どうも葉っぱの色合いと模様に惹かれます。特に、色々な株を並べたときの色や形の微妙な違いが楽しいです。
園芸的な観点からリトープスを見たとき、人によって育て方のスタイル(特に水やり)が大きく異なるなあ、と言うのが一番最初に思った感想です。植物は環境によって栽培方法が千差万別だとは思いますが、特にリトープスはその違いが顕著な感じがします。元気に育っていれば、どれも正解なのだと思います。

チキンな水やりとびびる日々

Lithops lesliei var. mariae(摩利玉)▲生き残った摩利玉
今ひとつ、生育期と休眠期の判断が付きにくいので、水やりはかなりチキンな感じでおそるおそるやってます。底から抜けるくらいたっぷり水をやれと言いますが、冬や夏は怖いので表面ぬらす程度にしかやらなかったりとか、そんな感じです。基本的には、忘れた頃にふと気づいて水をやっているような気がします。
シワが寄ってきたら、すわ根腐れか!とびびってみたり。夏でも水やったらパンパンに膨れて、なんだ生育中なのか、とびっくりしたり。福来玉(Lithops julii subsp. fulleri)などは縦に伸びたあげく、側面が裂けたりとか、同じように水やってても種によって差があります。そこがおもしろいとも思います。
昨年の夏に摩利玉(L. lesliei var. mariae)を一頭だけ溶かしてしまいましたが、同じ鉢に植わっているもう一頭は無事だったので、何だったんだろう。形はそのまま残っていて、中がどろどろになっている例の溶け方でした。
夏は風通しよくして熱が溜まらないように遮光もした方がいいな、と感じました。このあたりの夏の環境作りはランに似ています。でも60%遮光は大げさだったかもしれません。というか、ネットを外すのが面倒なので、一年を通して遮光状態です。株姿に変化がないので日照不足とは感じないのですが、もしかしたら花付きとかに影響するかもしれません。

リトープスのすすめ

L. fulviceps var. fulviseps (微紋玉)▲脱皮を始めた微紋玉
春は脱皮の季節です。中々脱皮しないものもあれば、早々に脱皮しているものもあり、その変化にまたどきどきする季節がはじまります。一見変化の少ない植物ですが、脱皮や開花などのイベントのほか、元気がいいと短い生育期間で一気に一回りくらい大きくなってくれたりと、育てがいのある楽しい植物だと思います。試行錯誤を楽しんで、自分の栽培環境下でのスタイルをしっかり確立するのもおもしろいのではないでしょうか。

セロジネとその魅力

最初に

原種トメントサ
原種マッサンゲアナ(トメントサ)

このページは「セロジネ」と言う洋ランの魅力とつきあい方を2ページにかけて紹介しています。
以下の順番で説明します。ランの花と言えば、カトレアやコチョウランのようにあでやかで派手に咲かせると言ったイメージもありますが、セロジネは楚々として粛々と咲くと言った感じです。嫌みがなく、シンプルなだけに飽きのこないところが魅力です。クリスタータやムーレアナは原種かと思えるほど洗練されており、マッサンゲアナ(トメントサ)の長く下垂する花茎は雄大さを感じさせます。ただ、原種は入手しづらい、花付きにムラがあったり、やや暑さに弱いものがあるなど、とっつきやすいとは言いづらいです(もちろん、フラクシダのようにとっつきやすい原種もあります)。そこで、おすすめしたいのが交配種のセロジネです。
セロジネの原種は100種程度が知られていますが、交配種の数はさほど多くないです。これは、原種そのまんまの花が美しくて見栄えがするので、改良の必然性があまりなかったからではないかと思います。ただ、交配種は原種の雰囲気を残しつつ、丈夫でとっつきやすいものが多いので、おすすめです。花に香りのある種が多いですが、満開時期はちょっと花につくほどきつい芳香になるものもあります。

つきあいやすい品種

コスモクリスタ(左)とインターメディア(右)
コスモクリスタ(左)とインターメディア(右)

往往にしてとっつきやすいものが多いとも言われますが、中には生育サイクルの把握しにくいものや、花芽を中々出してくれないものもあります。
最もつきあいやすいのは「インターメディア」と「コスモ・クリスタ(旧名シンジュクNo.8)」です。インターメディアは寒さに強くて花付きもよいセロジネの代表品種で、冬から春に花付きの鉢植えである程度で回ります。また、花の大きな個体「インターメディア’マグニフィカム’」も、ラン展でときおり見かけます。同じ系統の「コスモ・クリスタ」も非常に花付きがよくて生育も旺盛ですが、インターメディアほども出回らないのではないかと思います。いずれも交配種なのですが、インターメディアを更に改良(交配)した品種がコスモ・クリスタなので、性質も見た目もそっくりです。下の図は、2品種の系譜になります。コスモ・クリスタに関しましてはこちらのページに詳しくまとめておりますので、参考にしてください。

コスモ・クリスタとインターメディアと交配系譜
コスモ・クリスタとインターメディアの交配系譜

この2品種に関して言えば、5℃程度あれば冬越しできます。新芽の出る時期も5月~6月頃と一定しているので、栽培しやすいです。新芽の出る時期が不定期なものや1年に2回出るものは、生育サイクルが把握しづらいです。まとめますとこの2品種は

・暑さと寒さに強い
・花付きが非常によい
・生育サイクルが把握しやすい

などの特長が挙げられます。以降の内容は、インターメディアとコスモクリスタの性質を前提として説明させていただきます。
[note]

※補足「新芽の出てくる時期が一定」について

「新芽が出てくる→活発な生育期に入った」ということになります。それを合図として肥料をはじめたり、必要なものは植え替えをしたりします。ですから、新芽の出てくる時期が一定だと、いつ頃までにバルブが肥大して、花芽を付けるかという生育サイクルが把握しやすいのです。[/note]

具体的な生育サイクル

フラクシダ'ラッキーボーイ'とっつきやすい原種のひとつ
フラクシダ’ラッキーボーイ’とっつきやすい原種のひとつ

たいがい2月~4月に花が咲き、花が枯れて少し経ってから新芽を出します。新芽の出る時期はだいたい5月から6月頃です。新芽は夏にかけてぐんぐんと生長します。暑さが過ぎて気温が徐々に下がってくる9月中頃から一気にバルブが肥りはじめ、11月頃までに肥大が終わります。その後肥大したバルブの付け根あたりから花芽を伸ばして、2月~4月頃に花を咲かせます。毎年これの繰り返しです。
年々株が大きくなってくると、出てくる新芽の数が増えて、結果として花芽の数も増えます。上手に育てると、年を追うごとに花数が増えるので、育て甲斐があります。
生育サイクルの異なるタイプ(新芽から花芽を出すものなど)も多くありますが、ここでの説明は省きます。

栽培メモ

011■水が好き
株が大きく生長すると、バルブもしっかりと大きく育ち、たいがい花を咲かせてくれます。とにかく水が好きなランで、油断して乾かしてしまうと葉先が枯れたり、変によじれた葉っぱが出てきたりします。新芽が出てきてから秋にバルブの肥大が完了するまでは十分水を与えます。乾きにくいという点では、プラ鉢に水ゴケが管理しやすいですが過湿になって根腐れを起こすことがあるので注意です。プラ鉢を用いる場合は、株の大きさに対して少し小さめの鉢を使った方が失敗は少ないです。冬も乾いてきたらちゃんと水をやります。デンドロビウムみたいに乾かしてはいけません。

■風通しのよい日陰が好き
次に大切なのは置き場所です。基本的に薄暗い場所でよく育ちます。直射日光は葉っぱが黄ばんだり、最悪の場合焼けて枯れてしまうのでよくないです。風通しのよい日陰が適しており、吊して育てることができればなおよいです。当方では、屋外の雨ざらしの場所でよく育っています。秋に10℃を切るくらいの頃に屋内に取り込みます。一定の低温に当てないと花芽が伸びにくいと言いますが、インターメディアに関してはあまり関係ないように感じます。

■肥料は少し必要
肥料は少しあったほうがいいです。新芽が伸びてきたら液肥をときどき与えます。暑さでバテると根が肥料を受け付けないので、真夏は一旦やめた方がいいです。秋に涼しくなってきたら、バルブが完全に肥大するまで、リンカリの液肥をときどき与えます。
風通しのよい日陰で水を十分与えて、秋までに大きなバルブに育てることがポイントです。
[note]

※補足 セロジネを扱った書籍

洋ランの育て方を扱った実用書にはセロジネを取り上げているものも存外にありますが、紙面の都合上あまり詳しくは書かれていません。そんな中でも、一冊丸ごとセロジネを扱っている書籍が1冊だけあります。「NHK趣味の園芸・よくわかる栽培12か月シリーズ セロジネ」 がそれで、基本は月ごとの管理が記載されており、それ以外の基本情報も記載されています。[/note]

入手方法

冬から春にかけて各地で行われるラン展では、たいがい花付きのセロジネが出回ります。また、この時期なら初夏から新芽が伸び始めて秋にはバルブも完成し、翌年の開花も期待できます。

秋口のラン

夏の終わりから、秋口にかけて庭で咲いているランの花です。明確に秋咲きというより、不定期咲きでちょうど今の時期に咲いてくれたといった感じです。

カトレア ミニパープル[C. Mini Purple]

OLYMPUS DIGITAL CAMERA品種の詳しい説明はこちらの過去ログを参照にしてください。
新芽がある程度伸びたらバルブが完成する前に花を咲かせるタイプのミニカトレアです。1年に2回くらい咲きます。ある程度株が大きくなってきたからか、新芽が同時に数本伸びてきて、花も6輪くらい咲きました。支柱も誘引もせずにほおっておいたので花の向きがむちゃくちゃで、1枚に収まりません。一度びしっと誘引してキレイに仕立ててみたいもんです。今回、梅雨頃から雨のかからないベランダで水遣りを少しシビアにしたのですが、それとこの時期にたくさん咲いたのは何か理由があるのか偶然なのか。

カトレア リトザック ’リビング・ドール'[C. Litozac ‘Living Dool’]

OLYMPUS DIGITAL CAMERA以前はソフロレリオカトレア属でしたが、カトレア類の分類の大幅見直しで現在はカトレア属に。不定期咲きのミニカトレア交配種で、前回は春に咲いたと思います。草丈はミニなのですが花がミディくらいで幅10cmくらいになります。庭に放置していたら葉焼けしつつ、きれいな花を咲かせてくれました。ごめんなさい。もともと花つきがよい品種のようで、つぼみができると途中でしけったりせずにいつも咲いてくれます。リトザックは’リビング・ファイアー’という真っ赤な花色の個体もよく知られています。

ドリテノプシス・パープル・ジェム'[Dtps. Purple Gem]

OLYMPUS DIGITAL CAMERAパープルジェムについてはこちらの過去ログを参照にしてください。
ちっちゃな花が舞い踊るようにたくさん咲くタイプのコチョウラン類です。開花期間と花もちがすごく長く、秋から冬まで咲き続きます。この個体はやたら花茎が長く伸びてバランスが悪いですが、花びらがややシャープな感じが素敵なのです。庭の木陰に吊るしておけば、特に手間もかからず咲いてくれる丈夫なラン。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこちらもちょうど今咲いている、白花のパープルジェムです。冬にも咲いていて、今年2度目の開花です。

残暑の岡山後楽園

こんなところ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA細かく説明するまでもない、日本の名園BIG3のひとつ。超有名な大名庭園です。入り口で貰ったパンフレット見てはじめて知ったのですが、こちらの庭園は川の中州にどーんとあるんですね。入園料は400円、JR岡山駅から歩いても20~30分くらいで到着します。

園内散策

OLYMPUS DIGITAL CAMERA正門からいざ入場。関係ありませんが、後ろには県立博物館がありました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAとにかく第一印象は「シバそしてシバ」です。大きな池もあるのですが、とにかくシバのグリーンに圧倒されます。説明によると芝の種類は日本芝のノシバです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAちっちゃくて少し見にくいですが、妙に気に入った石灯籠。家にもこんなのほしいです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA巨大な石、細かく分割して運んできて、ここで組み立て直したんだとか。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA築山は上れるようになっています。上からの眺望。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAジュラシックな感じに茂ったソテツ畑。しかしたくさん植わっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA遠くにある山が借景となって庭園と一体化しているように見えます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAタンチョウヅルがいました。

さいごに

まず、大量のシバが印象に残ります。そのせいなのか、堅苦しさや重厚さがなくむしろ牧歌的な雰囲気すらあります。あと、この広さの芝生を維持するのは大変だろうなあと感じました。