牧野富太郎の本

日本の植物学者といえば、真っ先に出てくるのが牧野富太郎でしょう。牧野富太郎を知ろうと思えば、著作や関連本を紐解くのが一番の近道ですが、案外たくさんの本が出版されています。
そこで、牧野富太郎に関する本を図鑑・著作・関連本に分けて紹介します。

図鑑

牧野富太郎の図鑑と言えば、植物好きならたいがい知っている「牧野日本植物圖鑑」がいっとう最初に挙げられるでしょう。植物体の正確な描写とよくまとまった説明で、調べ物をするのにもときおりパラパラめくるのも楽しい図鑑です。ビジュアル的にキレイな図が見たい方は図版がカラーの「原色」版もあります。牧野植物図鑑には4冊組みのコンパクト版やリーズナブルな学生版なども含めて多くの種類が出回っています。


そんな中でも、基本となるのは、新版ではないかと思います。基本的な内容は古いものと変わらないようですが、分類や学名表記は現在のものになおされています。細かい部分でも実用に耐えるよう、色々と加筆修正されていると思います。」図版はモノクロですが、逆に植物の輪郭や特長がしっかりと把握できると思います。卓上ならこれがおすすめです。[rakuten]001:9784832610002[/rakuten]
また、最新の原色版は「APG分類」に準拠しています。こちらは2冊組み(バラ売り)になっています。[rakuten]001:9784832609747[/rakuten]
このほかに、個人的におもしろいなと思うのは、昭和15年版を忠実に再現した(らしい)、『復刻版 牧野日本植物図鑑』です。仮名遣いが古くて、何となく味がありますが、相当に慣れないと読みにくいです。
牧野日本植物図鑑―復刻版(amazonのページへ飛びます)

図鑑以外の著作

図鑑以外で現在でも読める牧野富太郎の著作も数冊あります。多くが学術/学芸系の文庫で出版されていますが、現代の仮名遣いになっているので、特に苦労はしないと思います。


いろんなところに寄稿した記事や講演会の内容など文章に起こしたものをまとめたものが多いです。だから、内容は一貫せず、色々な方向に飛びます。また、けっこう内容がかぶっており、「自叙伝」「植物記」どちらかを読めばほかの著作のアウトラインがわかると思います。植物の知識的な内容もしっかりしているのですが、牧野富太郎の人となりを知ることができる内容、と言った方が正しいかもしれません。植物以外の内容も入っていますし。ユニークな人物だったのだなあと、ひしひしと感じます。牧野節炸裂、という感じです。「花物語」は植物記の続編ですが、特に内容が続いているというわけではありません。
[rakuten]001:9784061596443[/rakuten][rakuten]001:9784480091925[/rakuten][rakuten]001:9784480092724[/rakuten]『植物知識』は厚みのすごく薄い本です。植物ごとにわけてそれぞれについて説明しています。『植物一日一題』も個々の植物についてのお話です。こちらは普通に厚みのある文庫本です。「植物の名前は正確に使え、変な漢字を当てるな」的な内容が多いです。これらの本に関しては内容が植物に一貫しています。[rakuten]001:9784061585294[/rakuten]
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関連本

牧野富太郎について書かれた本も探すとたくさんあります。そんな中でも、テーマとしておもしろいもしろく、わかりやすいものを選んでみました。


当時出版された様々な植物図鑑と牧野富太郎の半生を絡めた視点がユニーク。第二章の「牧野植物図鑑の謎を追う」は黎明期の日本の植物図鑑を取り巻く状況なども垣間見えて興味深いです。[rakuten]001:9784582850178[/rakuten]
全国で植物採集を行った牧野富太郎の足取りを追う旅行記を中心とした伝記的な内容です。巻末の全国踏査・ゆかりの地マップがイラスト入りで楽しく、おもしろいです。
MAKINO―牧野富太郎生誕150年記念出版(amazonに飛びます)

園芸読本 ’ユリノキという木’

こんな本

OLYMPUS DIGITAL CAMERA読んでおもしろかった植物関係の本を紹介する「園芸読本」。今回は「ユリノキという木 魅せられた木の博物誌」です。手持ち本の巻末を見ると1989年12月15日初版となっていますので、四半世紀ちかく昔の本です。しかし、今でも新品で買えるということは、それだけロングセラーで版を重ねている…んだと思います(店頭で確認した訳ではなく、あくまでAmazonでということですが)。一つの植物にスポットをあてた本ではすごいことなんでは、と。

こんな内容

OLYMPUS DIGITAL CAMERA一冊まるまるユリノキについて書かれています。ユリノキはごく当たり前に植栽されていて、好きな人はすごく好きだけども、知らないひとも多い、そんな樹木だと思います。葉っぱの形、独特な存在感をもつ花、まっすぐ伸びる幹、大木の堂々とした雰囲気など、改めてみると魅力的な木です。そんなユリノキの概要、生態、現地での状況、利用に関して、日本に導入されたいきさつや歴史、育てたいひとのための…と言った多方面に渡る解説がなされています。学術的な内容ではなく、読み物でむずかしくないです。。文章だけでなく、所々にカラー写真ページも挟んでいるので、どんな木なのかというイメージは把握しやすいです。巻末には全国で見られるユリノキスポットが一覧で掲載されています。版を重ねてこのあたりのデータは更新されてるのかわかりませんが、参考になるとは思います。

さいごに

ユリノキを知らないひともこの本を読むと実物を見てみたくなると思います。そして存外に身近な樹木だということがわかるかもしれません。そんなユリノキの魅力が詰まった一冊です。
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お気に入りの園芸本 草花実用書編

OLYMPUS DIGITAL CAMERA園芸って植えて育てて、実践しつつ楽しみつつが一番ですが、より理解を深めようと思ったら園芸実用書を読むのもひとつの方法だと思います。色々な本がありますが、自分が持っている中で、今でもときどき読み返す園芸実用書を紹介します。旧い本ばかりで店頭には並んでないと思いますが、興味がある人は図書館などで探してみてください。でも、実用書なので読んで面白いというものでもないかも。

栽培上手になる 土・肥料・水

おそらくおこづかいではじめて購入した園芸実用書。土や肥料の種類、肥料のやり方や種まきの仕方など、園芸の基本はこの本で学びました。実践的な内容も書かれているのですが、「なぜこうするのか」的な理屈で説明してくれているところなんかもあり、それらの理屈を納得しつつ理解できたと思います。「へー」です。
[note]栽培上手になる土・肥料・鉢 (別冊NHK趣味の園芸) [単行本]
単行本: 207ページ
出版社: NHK出版 (1991/04)  Amazon登録情報[/note]

手軽に楽しめる 草花シリーズ (園芸ハンドブック)

正しくは「手軽に楽しめる 春から夏に咲く草花」と「手軽に楽しめる 春から夏に咲く草花」の2冊です。図書館で最初借りて、とても気に入って改めて購入した本です。一般的な園芸草花は、ほぼこの本で知りました。ひとつの植物にたいして、概要と写真と育て方のポイントが記載されたページとFAQの書かれたページの2部構成になっています。他にもこの園芸ハンドブックはシリーズで「観葉植物」「ラン」など数種類ありました。
[note]手軽に楽しめる春から夏に咲く草花 (園芸ハンドブック) [単行本]
単行本: 183ページ
出版社: 学習研究社 (1990/06) Amazon登録情報
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[note]手軽に楽しめる夏から冬に咲く草花 (園芸ハンドブック) [単行本]
単行本: 183ページ
出版社: 学習研究社 (1991/02)  Amazon登録情報
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an・an garden book (1) 鉢花完全主義

名前の通り、鉢花向きの植物をクレマチス、シクラメンといった風に種ごとで紹介しています。概要とポイント、FAQで構成されています。前出の本もそうなんですが、この構成の実用書が好きみたいです。ページのレイアウトが上手にまとまっていて、なおかつがちがちの実用書っぽくなくて好きです。続編に「観葉植物完全主義」があります。
[note]an・an garden book (1) (Magazine House mook) [ムック]
ムック: 178ページ
出版社: マガジンハウス (1997/07) Amazon登録情報
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育ててみたい鉢花500種

あんまり見ないような植物の育て方も載っているおもしろい本です。こんなものまで鉢花で流通してるんだなあ、と当時は感心しました。
[note]育ててみたい鉢花500種 [ムック]
ムック: 271ページ
出版社: 日本放送出版協会 (2003/06)  Amazon登録情報
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