夏のファレノプシス・ベリーナ

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ファレノプシス、要するにコチョウランの仲間というと、ゴージャスな花を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実にいろいろな系統があります。その中でも夏から秋咲きのファレノプシス・ベリーナ〔Phal. bellina〕はとっつきやすくて花つきのよい、お勧めのファレノプシス原種です。

とっつきやすいと思うポイント

・ある程度強い日射しでも葉焼けしにくい
・気温が高くて元気な時期につぼみを付けるので、低温や生育不良でつぼみが枯れることが少ない
・比較的低温にも耐える(経験では5℃~7℃程度)
・花の香りがよい(個体差や季節でちがいがあるかも)

こんなところが通常のコチョウランと違う

生育サイクルなどが通常のコチョウランと少し異なるので、その「違い」を見ていきましょう。
その1 花の咲く時期が違う
通常
冬の休眠期に花茎を伸ばして春に咲くものが多いです。
ベリーナ
春に気温が高くなってくると花茎を出して、夏のはじめから秋の終わりくらいまで開花します。

その2 花の咲き方が違う

つぼみを付けながら花茎をさらに伸ばしていきます。
つぼみを付けながら花茎をさらに伸ばしていきます。つぼみの右側に見えるのが花茎の芽先です。

通常
ややタイムラグがあるものの、同時期にたくさんの花が咲きます。花茎の先端のつぼみが咲ききれば、切り戻したりしない限り、それでその花茎の開花は終わりです。
ベリーナ
まず、花茎が少し伸びて1つのつぼみがつきます。そのつぼみがある程度大きくなると、更に花茎を少し伸ばして新たなつぼみをつけます。それの繰り返しで、つぼみをつけながらどんどん花茎を伸ばしていきます。一度に見られる花数は1輪~2輪程度です。枯れたら次のつぼみが咲く、と言った感覚に近いです。一株から複数の花茎を出すこともよくあります。1本の花茎で数年間花を咲かせ続けることもあります。また、秋に少しだけ出た花芽が咲かずに冬になって生長が止まり、春になって伸び始めることもあります。

その3 葉や根っこが違う
通常のコチョウランに比べて、葉の厚みが薄くて、光沢があります。根の太さはやや細めです。その反面、花びらにやや厚みがあります。水を貯蔵したり乾燥に耐える必要のあまりない、案外湿潤な環境に自生しているのかもしれません。

共通するところ

全体。葉の出方などは通常のコチョウランと変わらないです。
全体。葉の出方などは通常のコチョウランと変わらないです。

1枚の葉っぱが生長したら、次の葉を出すと言う成長の仕方は共通しています。全体的な株姿も同じようなものです。栽培も通常のコチョウランに準じるところはありますが、ベリーナのほうが性質は強めで育てやすいと思います。

栽培雑感

置き場所
うっかり葉焼けをさせたことがないので、日射しには比較的強いようです。冬以外は基本屋外の半日陰ですが、通常のファレノプシスよりも明るい場所 -真夏でも午前中少し日の入るところ- でよく育っています。その方が花付きがよいような気がします。風通しのよい場所に吊しておくと機嫌がいいです。冬は室内に置いてますが、5℃~7℃程度の室内でも特に枯れていません(生長は止まります)。
日常の管理など
用土はバークチップを使い、素焼き鉢に植えています。水やりは夏は毎日、春と秋は乾いていたらたっぷり、冬は2週間に1回くらいです。肥料は梅雨頃から2週間に1回くらい薄めの液肥を与えてます(秋まで)。あまりたくさん要りませんが、少し与えると元気のような気がします。
花芽や葉の一部がなにものかに食害されたことがあるので、春先にスプレー式の薬剤を1度だけ散布しています。ナメクジではないと思う。
注意点
花茎が緑で生きているうちは切らないようにします。寒くなると生長が止まりますが、季節が変わって暖かくなると伸びて花を付けることが多いからです。

その他

見た目がすごくそっくりな仲間に、ファレノプシス・ビオラケアがあります。ベリーナとビオラケアは今ひとつ違いがわかりません。これらの原種って個体差とか地域差が多そうなので、さらに混乱します。
香りがよいと書きましたが、同じ花でもほとんど香らないときもあれば、すごく香りが漂うときもあり、夜とか朝とか時間帯で差があるのかもしれません。