カラムシ

カラムシ

基本データ

科名: イラクサ科
学名: Boehameria nivea var. concolor f. nipononivea
見られる場所: 道端 土手 空き地 林縁
草姿: 直立 草丈1m~2m
見られる季節: 夏~秋

カラムシとは

夏~秋に道端や、土手、林縁などで普通に見られる、毎年生えてくる多年草です。目を惹くような特長はありませんが、ごく身近にある野草です。地中を横に走る茎(ランナー)があり、そのあたり一面を覆うようにごっそり生えていることが多いです(単独でちょこちょこ生えていることもあります)。

見た目

雌花

雌花

雄花

雄花

葉の裏側

葉の裏側

草丈は1m~2mで、葉っぱが左右交互に出る互生です。葉っぱは長さ15cm前後、先端が尖った幅の広いタマゴ型で、縁にはやや細かいギザギザがあります。表は濃緑色で少しざらっとした触感、裏は白い綿毛が密生して銀白色に見えます。葉脈は粗めの網目状で、裏から見るとくっきりと浮き出ているのがわかります。

夏~秋に、葉の付け根から細かく枝分かれした花穂を伸ばして開花します。雄花と雌花があり、ひとつの株に雌雄両方の花穂が付きます。雌花の花穂は茎の先端に近い方、雄花の花穂はそれより下に付きます。

風に花粉が運ばれて受粉する風媒花です。雄花はつぼみのとき、雄しべが内側に丸まっており、開くときにバネのように外側に弾け、その勢いで花粉をまき散らします。風が弱くても広範囲に花粉が散布される工夫だとされます。雌花は数輪が球形に集まって、雌しべをいろんな方向に付きだし、金平糖のような形になります。

名前の由来

茎(から)を蒸して繊維をとったところからこの名前があるとされます。ただ、現在伝えられている製造工程には、蒸す工程はありません※1。別名のクサマオのマオは『真麻』で、真(本当)の麻という意味です。

利用・民俗事項

繊維をとるために広く栽培されていた由緒ある作物です。遺跡の出土品から、縄文時代にはすでに利用されていたとみられています。現在の日本では、昭和村(福島)や宮古島(沖縄)などわずかな地域で、栽培されるのみです。あらかたは雑草として扱われています。日本原産ではなく、古い時代に中国方面から入ってきたと言われています。 カラムシで織られた布で現在でもよく知られるものに、越後上布、八重山上布があります。

関連事項

分類

カラムシの仲間は分類上の変種が多く、全体像を把握しにくい面があります。 葉裏に綿毛が少なく、緑色に見えるものをアオカラムシ〔B. nivea var. concolor〕と区別しますが、カラムシとアオカラムシの中間のような個体もあり、明確に区別はしにくいようです。ラミー〔var. candicans〕と呼ばれる変種は、繊維をとるのに適しています。沖縄などではナンバンカラムシ〔var. nivea〕がよく見られます。カラムシは分類上、アオカラムシの品種とされます。※2

似ている植物

ヤブマオ

ヤブマオ

ヤブマオ

雌花の花穂

雌花の花穂

葉が円形に近く縁のギザギザが粗いです。また、花穂が長く伸びるのでその点で区別できます。

ラセイタソウ

表面に細かいシワが入り、葉に厚みがあります。

その他

脚注

※1『歴春ブックレットNo.23 会津のカラムシ』
※2『山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花』

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